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走りの膝痛「腸脛靱帯炎」について

ランニング中やランニング後に、22730887_s
膝の外側が痛くなる場合、
原因のひとつに
ランナー膝/ランナーズニーがあります。

ランナー膝は、
医学的には腸脛靭帯炎と呼ばれます。

腸脛靭帯とは、
太ももの外側から膝の外側にかけて走っている、
強い線維性の組織です。

ランニングのように、
膝の曲げ伸ばしをくり返す動作が続くと、
腸脛靭帯と膝の外側の骨の出っ張り部分
負担がかかり、痛みにつながることがあります。

特に、
「走り始めは平気だけど、距離が伸びると痛い」

「走ったあとに膝の外側がズキズキする」

「下り坂や階段の下りで痛みが出る」
このような症状がある場合は、
腸脛靭帯炎を疑うきっかけになります。

ランナー膝(ランナーズニー)とは?

ランナー膝とは、
主に膝の外側に痛みが出るスポーツ障害です。
正式には、腸脛靭帯炎と呼ばれます。
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腸脛靭帯は、
骨盤の外側から太ももの外側を通り、
膝の外側を越えて、
すねの骨の外側へつながっています。

ランニングでは、
膝を曲げたり伸ばしたりする動作を
何千回もくり返します。


その中で、
腸脛靭帯が膝の外側にある骨の出っ張り部分と
こすれるように負担を受け、
炎症や痛みにつながると考えられています。

「ランナー膝」という名前の通り、
ランニングをする人に多い障害ですが、
走る量が多いスポーツでも起こることがあります。

どこが痛くなるのか?

ランナー膝で痛みが出やすいのは、
膝の外側です。
膝のお皿の下ではなく、膝の横。

すねの内側でもなく、膝の外側。

この痛みの場所が、
ランナー膝を考えるうえで
重要なポイントになります。

よくある訴えとしては、

・膝の外側が痛い
・走ると膝の横が痛くなる
・ある程度の距離を走ると痛みが出る
・下り坂で痛みが強くなる
・階段の下りで痛い
・膝の外側を押すと痛い
・太ももの外側まで張るような感じがある

などがあります。

痛みの場所が似ているものとして、
外側半月板損傷外側側副靭帯損傷などもあります。


そのため、
「膝の外側が痛い=必ずランナー膝」
とは言い切れません。

なぜランナー膝が起こるのか?

ランナー膝は、
膝の使い過ぎによるスポーツ障害のひとつです。

特に関係しやすいのは、
ランニング中にくり返される膝の曲げ伸ばしです。
膝を曲げ伸ばしするたびに、
腸脛靭帯は膝の外側を通過します。


この動きが長時間くり返されることで、
腸脛靭帯と骨の間に摩擦や圧迫が生じ、
膝の外側に痛みが出ることがあります。

ただし、原因は「走り過ぎ」だけではありません。
次のような要素も関係しやすいとされています。

・練習量が急に増えた
・長距離走が増えた
・坂道、特に下り坂を走ることが多い
・硬い路面で走ることが多い
・休息が不足している
・シューズが合っていない
・太もも外側や股関節周囲が硬い
・股関節や体幹の安定性が低い
・O脚傾向など、脚のアライメントの影響がある

「走る量」だけでなく、

走り方・路面・靴・柔軟性
筋力・休息の不足が重なることで、
膝の外側に負担が集まりやすくなります。

起こりやすいスポーツ

ランナー膝は、
ランニングをする人に多くみられます。
ただし、陸上長距離だけの障害ではありません。
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走る量が多い競技では、
同じように起こることがあります。
代表的には、

・陸上競技
・マラソン
・サッカー
・バスケットボール
・ラグビー
・テニス
・トライアスロン
などです。

特に、
持久走、坂道ダッシュ、長時間の走り込み、
急な練習量の増加がある時期は
注意したいところです。

学生の場合は、
部活の練習量が急に増えたタイミングで
痛みが出ることもあります。

ランナー膝の主な症状

ランナー膝でよく見られる症状は、
次のようなものです。

・走ると膝の外側が痛い
・走り始めより、距離が伸びてから痛い
・ランニング後に膝の外側が痛む
・下り坂で痛みが強くなる
・階段の下りで痛い
・膝の外側を押すと痛い
・太ももの外側に張り感がある
・休むと軽くなるが、走るとまた痛くなる
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初期では、
走ったあとだけ痛むことがあります。
しかし、痛みを我慢して走り続けると、
ランニング中にも痛みが出るようになり、
さらに進むと日常生活の階段や
歩行でも気になることがあります。

「走れるから問題ない」と判断せず、
痛みが出るタイミングを
確認しておくことが必要です。

痛みの進み方

ランナー膝は、
痛みの出方によって状態を考えやすくなります。

初期
* 長く走ったあとに痛い
* 走り終わると膝の外側が気になる
* 休むと痛みが引く
* 普段の歩行ではあまり気にならない
この段階では、
「少し疲れただけ」と思われることもあります。

中等度
* 走っている途中で痛くなる
* 一定の距離を超えると痛みが出る
* 下り坂や階段の下りで痛い
* 練習後にも痛みが残る
このあたりから、
練習量や走る内容を見直す必要が出てきます。

進行した状態
* 走り始めから痛い
* 痛みでフォームが崩れる
* 階段や歩行でも痛い
* 休んでもすぐ再発する
* 膝の外側を押すと強く痛い
ここまで進むと、
短期間の休養だけでは戻りにくいことがあります。

早めに負担の原因を整理しておきたい段階です。

下り坂で痛みが出やすい理由

ランナー膝では、
下り坂で痛みが強くなることがあります。

下り坂では、
スピードを抑えながら足を着くため、
膝への負担が増えやすくなります。


さらに、
膝が軽く曲がった状態で着地をくり返すため、
腸脛靭帯周辺にストレスが
かかりやすくなると考えられています。

また、
下り坂ではブレーキをかける動きが増えます。

このブレーキ動作が続くと、
太ももや股関節周囲の筋肉に負担がかかり、
膝外側の痛みにつながることがあります。

「平地は大丈夫だけど、下り坂で痛い」

「坂道練習のあとから痛くなった」
このような場合は、
走る場所や練習内容も見直す材料になります。

他の膝痛の違い

ランナー膝は、
膝の外側に痛みが出やすいのが特徴です。
ただし、
膝の痛みにはいくつか種類があります。

ランナー膝
痛みの場所は、膝の外側。

走る、下り坂、階段の下りで痛みが出やすい。

ジャンパー膝
痛みの場所は、膝のお皿のすぐ下。

ジャンプ、着地、ダッシュで痛みが出やすい。

オスグッド病
痛みの場所は、すねの骨の出っ張り付近。

成長期の子どもに多く、
ダッシュやジャンプで痛みが出やすい。

鵞足炎
痛みの場所は、膝の内側やや下。

ランニングや階段で痛むことがあり、
内側の痛みとして出ることが多い。

このように、
膝の痛みは「どこが痛いか」
で考え方が変わります。
自己判断が難しい場合もあるため、
痛みの場所と痛む動作を分けて整理しておくと、
状態を把握しやすくなります。

レントゲンや画像検査は必要?

ランナー膝は、
問診や身体の確認から疑われることが多い障害です。
確認されるポイントとしては、

・痛みの場所
・いつから痛いのか
・どの距離で痛みが出るのか
・下り坂や階段で痛むか
・膝の外側を押すと痛いか
・練習量が急に増えていないか
・シューズや路面が変わっていないか
・他の膝の障害が疑われないか

などがあります。

レントゲンでは、
腸脛靭帯炎そのものがはっきり写るとは限りません。

ただし、骨の異常、変形、
外傷、他の疾患を確認するために
行われることがあります。

また、症状が長引く場合や、
半月板損傷など他の障害が疑われる場合には、
MRIや超音波検査が検討されることもあります。

「走り過ぎだからそのうち治る」
と決めつけず、
痛みが続く場合は
一度確認しておきたいところです。

一般的に行われる対応

ランナー膝に対しては、
まず保存的な対応が中心になります。
一般的には、次のような対応が行われます。

・ランニング量の調整
・痛みが出る距離やスピードの見直し
・坂道や下り坂の一時的な制限
・アイシング
・太もも外側や股関節周囲の柔軟性確認
・股関節・体幹・下半身の筋力確認
・シューズや路面の見直し
・段階的なランニング再開
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ここで重要なのは、

痛みが出る動きを減らしながら、
なぜ膝の外側に負担が集まったのかを
整理すること
です。

痛みが強い時期に走り続けると、
症状が長引くことがあります。
一方で、完全に休んで痛みが消えても、
走り方や練習量が同じままだと
再発することがあります。

そのため、ランナー膝では、
休むだけで終わらせず、
走る量・走る場所・体の使い方
・柔軟性・筋力を合わせて
見直す考え方が役立ちます。

完全に休むべき?

ランナー膝では、
すべてのケースで完全休止が
必要とは限りません。

ただし、
痛みを我慢して走り続けるのは
避けたいところです。

目安として、次のような場合は
ランニング量を落とす判断につながります。

・走っている途中で痛みが強くなる
・痛みでフォームが崩れる
・走ったあとに痛みが残る
・翌日も痛い
・階段や歩行でも痛い
・以前より痛みが出る距離が短くなっている

反対に、痛みが軽く、
走ったあとに悪化しない場合は、
距離・スピード・坂道を
調整しながら様子を見る考え方もあります。

「走るか、完全に休むか」の二択ではなく、
どの距離で痛むのか
どのスピードで痛むのか

平地なら問題ないのか
坂道で痛むのか
を
分けて考えると、
運動量の調整がしやすくなります。

医療機関に確認したいサイン

次のような場合は、医療機関での確認をおすすめします。

・膝の外側の痛みが数週間続いている
・痛みがだんだん強くなっている
・歩いていても痛い
・階段で強く痛む
・腫れや熱感がある
・膝が引っかかる感じがある
・膝崩れや不安定感がある
・ぶつけた、ひねった後から痛い
・休んでもすぐ再発する
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ランナー膝に似た痛みでも、
外側半月板損傷、靭帯損傷、
変形性膝関節症、鵞足炎など、
別の原因が関係していることがあります。

痛みの場所だけで決めつけず、
必要に応じて専門家に相談することが
安心につながります。

親御さんに知っておいて欲しいこと

学生ランナーや部活動をしている子どもは、
痛みを我慢して走ってしまうことがあります。

「大会が近い」

「練習を休みたくない」

「少し痛いだけだから大丈夫」

「走っているうちに慣れる」

このように考えて、
痛みを隠してしまうこともあります。

親御さんには、次のような変化を見てほしいです。
・走ったあとに膝の外側を気にしている
・階段の下りを嫌がる
・片足をかばって歩いている
・練習後に足を引きずる
・以前より走るフォームが崩れている
・走る距離が伸びると痛がる
・シューズのすり減り方が左右で違う

ランナー膝は、
初期では「走れてしまう」ことがあります。


だからこそ、
痛みが出るタイミングを
早めに把握しておくことが、
長期離脱を防ぐ手がかりになります。

まとめ

ランナー膝は、
正式には腸脛靭帯炎と呼ばれるスポーツ障害です。
主に、ランニング中やランニング後に
膝の外側へ痛みが出ます。

走る量が急に増えたとき、
下り坂が多いとき、硬い路面で走るとき、
休息が不足しているときなどに
起こりやすいとされています。

初期では、
休むと痛みが引くこともあります。

しかし、痛みを我慢して走り続けると、
走る距離が短くても痛むようになったり、
階段や歩行でも気になることがあります。

「走ればそのうち慣れる」と考えず、

痛みの場所、痛む距離、
痛む場面を整理しておくこと。

そして、練習量や走る環境を見直すこと。

これが、
ランナー膝を長引かせないための
第一歩になります。

当院の取り組み

スポーツ障害は、
痛みの出ている部分だけに
原因があるとは限りません。

頑張りすぎている筋肉
がある一方で、
本来働くべき筋肉やインナーマッスルが
うまく使えていないことで、
膝・かかと・すね・腰などに
負担が集中してしまうことがあります。
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当院では、
痛みの場所だけでなく、
姿勢・関節の動き・
筋力・体の使い方まで確認し、
どこに負担がかかっているのかを
見ていきます。

そのうえで、
サボっている筋肉を働かせ、
頑張りすぎている筋肉への負担を減らし、
自然な体の使い方を身につけられるよう
サポートします。
痛みの改善だけで終わらせず、
競技復帰後も
再発しにくい体づくりを目指します。

参考資料
* 日本整形外科学会:スポーツによる膝の慢性障害
* 日本スポーツ整形外科学会:スポーツ損傷シリーズ「膝の慢性障害」
* 日本臨床整形外科学会:膝関節/スポーツ障害
* SPORTS MEDICINE LIBRARY:ランナー膝・腸脛靭帯炎

コラム執筆・監修者

かさはら整骨院・整体院カウンセリング
院長 笠原 正男

厚生労働大臣認定 柔道整復師
JTAフラッシュリプロ療法認定インストラクター
KTRテクニック認定インストラクター

経歴
葛飾区内接骨院勤務 5年
大田区内整形外科勤務 4年
2018年2月 かさはら整骨院
      かさはら整体院を開業

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