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ヒアルロン酸注射と痛み止めの注射は何が違うのか?

22678933_s膝の痛みで整形外科に通っている方の中には

「ヒアルロン酸注射をしています」
「痛み止めの注射を打ってもらいました」
「膝に注射をしているけどなんの注射かよくわからない」

という方も少なくありません。
一言で「膝の注射」といっても、
実はいくつか種類があります。

代表的なものが
ヒアルロン酸注射
痛み止め・炎症止め
として使われる注射です。

ヒアルロン酸注射とは?

ヒアルロン酸は、もともと関節液の中に含まれている成分です。26471768

関節液は膝の中で潤滑油の役割を果たしており
膝の曲げ伸ばしをなめらかにしたり、
関節にかかる衝撃をやわらげたりします。

変形性膝関節症では
軟骨のすり減りや関節ないの炎症によって
膝の動きが悪くなったり、
痛みが出やすくなったりします。

ヒアルロン酸注射は
膝関節の中にヒアルロン酸を補うことで

・関節の動きをなめらかにする
・膝の強張りを和らげる
・痛みを軽減する
・動きやすさを助ける

ことを目的に行われます。

ただし、ここで大切なのは
ヒアルロン酸注射は
「すり減った軟骨を元通りに再生する治療」
ではないということです。

あくまでも
膝の中の環境を整え、
動きや痛みを助けるための治療
と考えるとわかりやすいです

痛み止めの注射とは?

一方で、
患者さんが「痛み止めの注射」と呼ぶものには
ステロイド注射や局所麻酔薬を使った注射などがあります。

特に膝の関節内注射で使われることがあるのが
ステロイド注射です。
ステロイド注射は、強い炎症を抑える目的で行われます。

膝に腫れがある
熱感がある
水が溜まっている
痛みが強い場合に
炎症を落ち着かせる目的で使われることがあります。

ヒアルロン酸注射
関節の動きをなめらかにする
関節液の働きを補う
イメージだとすれば

ステロイド注射
炎症を抑えて痛みを落ち着かせる
イメージです。 Image 2026年6月2日 18_03_02

また、局所麻酔を使う注射は
一時的に痛みを感じにくくする目的や
痛みの原因を確認する目的で使われることもあります。

つまり、膝の注射でも

ヒアルロン酸注射
膝の動きや関節液の働きを補うための注射

ステロイド注射
炎症や腫れ、強い痛みを抑えるための注射

局所麻酔の注射
一時的な痛みの軽減や、痛みの原因を確認するための注射

というようにそれぞれの目的が異なります。

注射は「何を入れるか」だけでなく、「どこにいれるか」も大切です

膝の注射で大切なのは、薬剤の種類だけではありません。

その薬剤が本当に
膝関節の中に正確に届いているかどうか
も大切です。

膝の関節内注射は、
膝の周囲には針を刺すことが目的ではなく
関節の中の適切な場所へ薬剤をを届けること
が目的です。

実際に、膝関節内注射の正確性について調べた研究では、
注射時に太ももの前の筋肉である大腿四頭筋に力をいれてもらうことで
関節内へ正確に注射できる割合が高くなったと報告さえれています。

通常の方法では正確に関節内へ入った割合が80%だったのに対し
大腿四頭筋に力を入れる方法では93%まで高まったとされています。

 Image 2026年6月2日 18_03_02

これは膝の注射が
「どこで受けても、誰が行ってもまったく同じ」
という治療ではなく、
注射の方法や考え方によって結果に差が出る可能性
があるということを示しています。

もちろん、これは「注射が悪い」という話ではありません。

ヒアルロン酸注射や痛み止めの注射は
膝の痛みに対する大切な保存療法の1つです

ただし、注射をしても変化を感じにくい場合には
「薬が効かなかった」
「年齢のせいだから仕方がない」
「変形しているからもう無理」
とすぐに決めつけるのではなく、いくつかの視点から見直すことが大切です。

たとえば
・その注射は今の膝の状態にあっていたのか
・薬剤が関節内へ正確に届いていたのか
・膝以外に負担の原因が残っていないか
・歩き方や身体の使い方で膝に負担をかけ続けていないか

といった点です。

注射で変わらない膝の痛みに、別の原因が残っていることもあります

2Z9A1007reヒアルロン酸注射は、
膝の中の動きや関節液の働きを助ける治療です。

ステロイド注射は、
炎症や強い痛みを抑える治療です。

どちらも膝の痛みに対しては大切な治療ですが
共通していることがあります。

それは注射だけでは
膝に負担をかけている身体の使い方
までは変えられないということです。

たとえば
・歩く時に膝の内側へ負担が集中している
・O脚傾向で、膝の内側に体重がのりやすい
・股関節がうまく使えていない
・足首の動きが悪く、膝で庇っている
・太ももの前ばかり使って、お尻や裏ももが使えていない
・立ち上がりや階段で膝に負担がかかる身体の使い方になっている

このような状態が残っていると
注射で一時的に痛みが軽くなっても
日常生活の中でまた膝に負担がかかり続けます。

その結果
「注射した直後は少し楽」
「でもまた痛くなる」
「何回も打っているのに根本的には変わらない」
という状態になりやすいのです。

大切なのは
注射を否定することではありません。
注射で変わらなかった場合に
膝だけを見るのではなく
なぜ膝に負担がかかり続けているのかを見直すことです。

当院では膝の痛みを膝だけの問題として見るのではなく、
股関節・足首・歩き方・筋肉の使い方
まで確認し、膝にかかる負担を減らすことを
大切にしています。

ヒアルロン酸注射を続けても変わらない
痛み止めの注射をしても、また痛みが戻る
このまま注射を続けるだけで良いのか不安

そのような方は一度、
膝に負担をかけている身体の使い方や
動作の癖を確認して見ることをお勧めします。

参考
NHS|Local anaesthetic
https://www.nhs.uk/tests-and-treatments/local-anaesthesia/

Local Anesthetic Use in Musculoskeletal Injections|PMC / NIH
https://pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC9477137/

Isometric Contraction of the Quadriceps Improves the Accuracy of Intra-Articular Injections into the Knee Joint|PMC / JBJS Open Access
大腿四頭筋を収縮させることで、膝関節内注射の正確性が80%から93%に上がったという論文です
https://pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC6400508/

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コラム執筆・監修者

かさはら整骨院・整体院カウンセリング
院長 笠原 正男

厚生労働大臣認定 柔道整復師
JTAフラッシュリプロ療法認定インストラクター
KTRテクニック認定インストラクター

経歴
葛飾区内接骨院勤務 5年
大田区内整形外科勤務 4年
2018年2月  東京都大田区大森西三丁目
      かさはら整骨院
      かさはら整体院を開業

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